アイブロウブラシで仕上がりは変わる!プロが教える選び方と使い方

「なんだか今日の眉、うまくいかない…」「もっと垢抜けた印象になりたいのに」鏡の前で、そんなため息をついた経験はありませんか?

多くの人がアイブロウメイクの主役をペンシルやパウダーだと考えがちですが、実はその仕上がりを劇的に左右しているのが、名脇役である「アイブロウブラシ」の存在です。

私自身、長年Webマーケティングの世界で様々なコンテンツ制作に携わる傍ら、メイクアップの探求にも情熱を注いできましたが、理想の眉を叶えるための最短ルートは、自分に合ったブラシを見つけることだと断言できます。

付属の小さなブラシで何となく描いているだけでは、あなたの魅力を最大限に引き出すことはできません。

これから、なぜ専用ブラシが必要なのかという根本的な理由から、それぞれのブラシが持つ役割、そしてプロが実践している具体的な使い方まで、私が現場で培ってきた知見を交えながら、余すところなく徹底的に解説していきます。

1. なぜ専用ブラシが必要なのか

アイブロウパウダーに付属している小さなアプリケーター。「これで十分」と思っているなら、それは非常にもったいないことかもしれません。

例えるなら、本格的な絵画を描こうとしているのに、子供用の絵の具セットについている細い筆だけで挑もうとしているようなものです。もちろん、最低限の色を塗ることはできますが、繊細な濃淡や美しい線を表現するのは極めて困難でしょう。

付属のブラシは、あくまで携帯用や応急処置用として設計されていることがほとんどです。そのため、多くの製品は以下のような課題を抱えています。

  • 柄が短く、力が入りすぎてしまう
  • 毛の量が少なく、パウダーを均一に含めない
  • ブラシの幅が狭く、何度も往復させる必要がある

これらの要因が重なると、眉が色ムラになったり、不自然に濃い「のっぺり眉」になったりする原因となります。私自身、メイクを学び始めた頃は付属ブラシの扱いに苦戦し、「自分は不器用なんだ」と思い込んでいました。

しかし、ある時思い切って専用のアイブロウブラシを手に取った瞬間、その描きやすさと仕上がりの美しさに衝撃を受けたのです。

専用ブラシは、眉という小さなキャンバスに理想のラインを描くため、計算し尽くされた設計になっています。

適度な長さの柄は、指先の繊細な圧力を絶妙にコントロールし、まるでプロのアーティストが筆を操るかのように、色の濃淡を自在に表現させてくれます。また、豊富な毛量がパウダーをふんわりと均一に含むため、一度でムラなく色を乗せることができ、時短にも繋がるのです。

眉は顔の印象を決定づける「額縁」です。

その額縁を丁寧に、美しく仕上げるための投資として、専用ブラシを一本持つこと。それこそが、初心者から上級者まで、全ての人のアイブロウメイクを次のステージへと引き上げる、最も確実で効果的な第一歩なのです。

参考:【初心者向け】アイブロウデッサンの道具と基本の描き方ステップバイステップ

2. ブラシの種類とそれぞれの役割

アイブロウブラシの世界は、実は非常に奥深く、様々な種類のブラシがそれぞれの専門分野を持っています。ここでは、理想の眉を完成させるために欠かせない、代表的な4つのブラシとその役割について見ていきましょう。

これらを適材適所で使い分けることで、あなたの眉メイクは驚くほど立体的で、洗練されたものへと進化します。

  1. アイブロウパウダーブラシ
    眉全体にふんわりと色を乗せるためのブラシです。柔らかく、丸みのある形状が特徴で、眉のベースカラーを乗せたり、眉頭を優しくぼかしたりするのに最適です。まるで柔らかな影を描くように、自然で立体的な眉の土台を作ります。
  2. アングルブラシ(斜めカットブラシ)
    眉尻のシャープなラインや、眉毛一本一本を描き足すための、いわば「精密作業」を得意とするブラシです。コシのある毛質と、斜めにカットされた先端が、肌に的確にフィットし、ブレのない美しい線を描き出します。眉全体の輪郭を整え、キリッとした印象を与える立役者です。
  3. スクリューブラシ
    メイク前後の毛流れを整えたり、描きすぎた部分をぼかしたりと、マルチに活躍する縁の下の力持ちです。マスカラのダマを取るのにも使われるこのブラシは、眉メイクにおいて「ぼかし」と「整え」のプロフェッショナル。これ一本で、仕上がりの洗練度が格段にアップします。
  4. コンシーラーブラシ
    これは少し上級者向けのテクニックになりますが、眉メイクの完成度を極限まで高めるための秘密兵器です。眉を描いた後、その輪郭をコンシーラーブラシでなぞることで、ラインの僅かなガタつきを修正し、まるでプロが仕上げたかのような完璧な眉を際立たせることができます。

これらのブラシは、それぞれがオーケストラの楽器のようなものです。一つ一つの音色(役割)は違いますが、それらが組み合わさることで、深みと広がりのある美しいハーモニー(理想の眉)を奏でるのです。

3. 理想の眉を描くためのブラシの形状

アイブロウブラシを選ぶ上で、毛の素材と同じくらい重要になるのが「形状」です。ブラシの先端がどのような形をしているかによって、描ける線の種類や色の乗り方が全く変わってきます。

ここでは、代表的なブラシの形状と、それがどのような眉の表現に適しているのかを具体的に解説します。自分のなりたい眉のイメージと照らし合わせながら、最適なパートナーを見つけてみてください。

  • ラウンドタイプ(丸筆型)
    先端が丸く、柔らかなカーブを描いているのが特徴です。この形状は、パウダーをふんわりと含み、肌に優しく色を乗せることができます。そのため、眉頭をぼかしたり、眉全体にニュアンスを加えたりするのに最適です。角がないため、境界線がくっきりと出すぎず、極めてナチュラルで優しい印象の眉を描きたい場合に威力を発揮します。私が「今日のメイクは、あまり作り込まず抜け感を出したい」という日に、必ず手に取るのがこのタイプです。
  • アングルタイプ(斜めカット型)
    ブラシの先端が直線的に、斜めにカットされているタイプです。このシャープなエッジを利用することで、眉尻の先細りラインや、眉の下側の輪郭など、キリッとした直線を描くことができます。また、ブラシの先端を使えば、まるで自眉毛が一本増えたかのように、繊細な毛を描き足すことも可能です。知的でクールな印象や、きちんと感のある眉を目指すなら、絶対に欠かせない形状と言えるでしょう。
  • ストレートタイプ(平筆型)
    アングルタイプと似ていますが、カットが斜めではなく、まっすぐなのが特徴です。このタイプは、ブラシの面全体を使うことで、安定した太さの線を引くのに適しています。眉の中間部分など、ある程度の幅と濃さが欲しいエリアを、ムラなく効率的に埋めることができます。眉毛が全体的に薄い方が、ベースをしっかりと作りたい場合などに重宝します。

面白いことに、これらの形状は一つだけでなく、例えば「ラウンドでありながら少し斜めにカットされている」といったハイブリッドな製品も存在します。それは、一本でふんわり感とシャープさの両方を、ある程度実現したいというニーズに応えるための工夫です。

まずは基本となる形状の役割を理解し、その上で自分の眉の形や、描きたいデザインに合わせて、最適な形状を選び抜く。そのプロセスこそが、理想の眉への近道となるのです。

4. 天然毛と人工毛の違い

アイブロウブラシを選ぶ際、多くの人が迷うのが「天然毛」と「人工毛(合成繊維)」、どちらを選ぶべきかという問題でしょう。それぞれに異なる特性とメリットがあり、どちらが一方的に優れているというわけではありません。自分のメイクスタイルや、使用するアイテムに合わせて最適なものを選ぶことが重要です。

天然毛ブラシ

主にイタチ、馬、ヤギ、リスなどの動物の毛を使用して作られています。最大の特徴は、人間の毛髪と同じようにキューティクルが存在することです。

  • メリット
    キューティクルがパウダーをしっかりと掴むため、「粉含み」が非常に良いのが利点です。一度で十分な量のパウダーをブラシに乗せることができ、ふんわりと発色させたい場合に最適です。肌あたりが非常に柔らかく、敏感な目元の皮膚にも優しい使い心地です。
  • デメリット
    動物の毛なので、手入れには少し気を使います。洗浄後にしっかりと乾燥させないと、雑菌が繁殖したり、毛が傷んだりする原因になります。また、リキッドやジェルタイプの製品に使用すると、毛が水分を吸ってしまい、劣化を早める可能性があります。一般的に、人工毛に比べて価格が高価な傾向にあります。

私自身、休日のリラックスしたメイクで、上質なパウダーを使って眉を仕上げたい時には、天然毛のブラシを選びます。その柔らかな肌あたりと、内側からにじみ出るような自然な発色は、何物にも代えがたい魅力があります。

人工毛ブラシ

ナイロンやポリエステルといった合成繊維で作られています。技術の進歩により、近年では天然毛に引けを取らない質の高い製品も増えています。

  • メリット
    キューティクルがないため、リキッドやクリーム、ジェルといった油分や水分を含む製品との相性が抜群です。製品を吸い込みすぎず、狙った場所に的確に乗せることができます。毛の表面が滑らかなので、シャープでくっきりとしたラインを描くのが得意です。また、非常に丈夫で手入れが簡単なのも大きな魅力。気軽に洗浄でき、速乾性にも優れているため、衛生的に保ちやすいです。
  • デメリット
    製品によっては、天然毛に比べて肌あたりが硬く感じられることがあります。また、粉含みの点では天然毛に一歩譲るため、パウダーを乗せる際には数回重ね付けが必要になる場合もあります。

普段の忙しい朝のメイクや、眉尻のラインをキリッと決めたい日、そして眉マスカラやリキッドアイブロウを使う際には、私は迷わず人工毛のブラシを手に取ります。その扱いやすさと、シャープな表現力は、現代女性の頼れる味方です。

関連記事はこちら:リキッドアイブロウを使いこなす!1本1本描いたようなリアル眉の作り方

5. ふんわり眉を作るパウダーブラシの使い方

まるでプロがメイクしたかのような、自然で立体的な「ふんわり眉」。その鍵を握るのが、ラウンドタイプや大きめのアイブロウブラシを使ったパウダーの乗せ方です。ここでは、誰でも簡単に抜け感のある眉毛を作れる、基本的なステップとコツを解説します。

  1. ブラシへのパウダーの含ませ方
    まず、ブラシにパウダーを取ります。この時、パレットの上でブラシをガシガシと擦り付けるのはNGです。色が濃くつきすぎる原因になります。ブラシの表面に、優しく撫でるようにしてパウダーを含ませるのがポイントです。そして、一度手の甲やティッシュの上で、余分な粉をトントンと軽く払います。この一手間が、眉にパウダーがダマになって付くのを防ぎ、ムラのない美しい仕上がりを約束します。
  2. 乗せ始める位置が最重要
    ブラシを最初に置くべき場所は、眉の中間、眉山から眉尻にかけてのエリアです。多くの人がやりがちな失敗は、眉頭から描き始めてしまうこと。眉頭は、顔の印象を左右する最も重要なパーツであり、ここが濃いと一気に不自然な「描きました感」が出てしまいます。最初に眉の中間〜眉尻に色を乗せ、輪郭のガイドラインを作るイメージです。
  3. 眉頭は「残ったパウダー」で優しく
    眉尻まで描き終えたら、ブラシにパウダーを付け足さずに、そのまま眉頭に向かってぼかしていきます。ブラシに残っている、ほんのわずかなパウダーだけで十分です。下から上へ、毛流れに沿って、まるで産毛を描き足すかのように、フワッとブラシを動かします。これにより、眉頭が自然にグラデーションになり、彫りの深い立体的な顔立ちを演出できます。

私がこのテクニックをクライアントに教える際、よく「眉頭は聖域だと思ってください」と伝えます。直接パウダーを乗せるのではなく、眉尻から流れてきた聖なる残り香で、そっと撫でるだけ。この意識を持つだけで、眉メイクは驚くほど垢抜けます。

最後に、スクリューブラシで眉全体の毛流れを整えながら、色の濃淡を微調整すれば、まるで生まれつき眉が整っているかのような、理想のふんわり眉が完成します。

6. シャープなラインを描く斜めカットブラシ

知的で洗練された印象を与える、眉尻のすっと消え入るようなシャープなライン。これを描くために欠かせないのが、アングルブラシ(斜めカットブラシ)です。コシのある毛質と計算された角度が、まるで定規で引いたかのような、ブレのない美しい直線を実現してくれます。

  1. ブラシの持ち方と角度
    まず、ブラシをペンシル持ちし、斜めにカットされた先端のエッジ部分を使います。この時、ブラシを肌に対して垂直に立てるのではなく、少し寝かせるように持つのがコツです。その方が接地面が安定し、線がガタつきにくくなります。
  2. 眉の下のラインを引く
    眉の輪郭を定めるため、まずは眉の下側のラインから描いていきます。黒目の外側のあたりから眉尻に向かって、スーッとブラシを滑らせるように一本の線を引きます。このアンダーラインが眉全体のガイドとなり、仕上がりの美しさを大きく左右します。ここで引いたラインの角度が、あなたの眉の印象を決定づけます。
  3. 眉尻を描く
    次に、眉の最も高い位置である眉山から、先ほど引いたアンダーラインの終点に向かって、ラインを繋げます。アングルブラシの最も尖った角の部分を使うと、繊細でシャープな眉尻を描くことができます。ここで躊躇してしまうと線が太くなりがちです。思い切って、一息に描き切るのが成功の秘訣です。

私自身、プレゼンテーションなど「今日はキリッと見せたい」という勝負の日には、このアングルブラシでのライン作りを特に丁寧に行います。眉尻が美しく決まるだけで、顔全体が引き締まり、自信に満ちた表情が作れるからです。

描き終わったら、眉毛が足りない部分に、ブラシの先端を使って一本一本毛を描き足していきます。あくまで「線」ではなく「」を描く意識で、短いストロークで描くのがポイントです。

このアングルブラシを使いこなせれば、あなたはもうアイブロウメイクの中級者。パウダーブラシで作ったふんわり感と、アングルブラシで作ったシャープさを組み合わせることで、プロ顔負けの立体眉を自在に操れるようになるでしょう。

関連記事はこちら:眉メイクの順番、本当にそれで合ってる?美眉を叶える正しいプロセス

7. スクリューブラシの万能な活用

スクリューブラシは、多くのアイブロウペンシルに付属していることもあり、その存在を知っている人は多いでしょう。しかし、その真の実力を引き出せている人は、意外と少ないかもしれません。このブラシは、単に毛流れを整えるだけでなく、アイブロウメイクのクオリティを劇的に向上させる、数多くの隠れた能力を持っています。

  1. メイク前の下準備(グルーミング)
    まず、メイクを始める前に、スクリューブラシで眉毛全体の毛流れを整えます。下から上へ、そして眉尻に向かって、優しくブラッシングします。これにより、自分の眉毛がどこに足りていて、どこに描き足すべきかが明確になります。この下準備を怠ると、せっかく描いたラインが毛流れと喧嘩してしまい、ちぐはぐな印象になってしまいます。
  2. 究極のぼかしテクニック
    ペンシルやパウダーで描き終えた後、スクリューブラシの真価が発揮されます。特に濃くなりやすい眉頭を、ブラシで優しく撫でるだけで、驚くほど自然に肌に馴染みます。また、眉全体の輪郭を軽くぼかすことで、くっきりとしたラインと、ふんわりとした質感を両立させることができます。私がよく使うテクニックは、眉を描いた後、ブラシをティッシュで一度拭ってから、眉全体を優しくブラッシングする方法です。これにより、余分なパウダーだけを取り除き、必要な色は残したまま、完璧なグラデーションを作ることができます。
  3. 描きすぎた時の修正液
    「しまった、眉尻を濃く描きすぎた!」そんな時も、慌てて指で擦ってはいけません。スクリューブラシで、濃くなった部分を眉尻方向に向かって数回ブラッシングしてみてください。まるで消しゴムのように、色が薄まり、自然な仕上がりに修正することができます。
  4. 眉マスカラのダマ取り
    眉マスカラを塗った後、毛が束になってダマになってしまった経験はありませんか? そんな時もスクリューブラシの出番です。マスカラが乾く前に、毛流れに沿って優しくとかすことで、ダマを解消し、一本一本が美しくセパレートされた、洗練された仕上がりになります。

このように、スクリューブラシはメイクの最初から最後まで、あらゆるシーンで活躍する万能ツールです。ポーチに一本忍ばせておくだけで、あなたの眉メイクはいつでも完璧な状態を保つことができるでしょう。

関連記事はこちら:アイブロウデッサンで学ぶ!顔の黄金比と理想の眉の描き方

8. コンシーラーブラシで輪郭を整える

アイブロウメイクの総仕上げとして、プロが必ずと言っていいほど実践しているのが、コンシーラーを使った輪郭の補正です。この一手間を加えるだけで、眉のラインがくっきりと際立ち、肌の透明感までアップしたかのような、圧倒的にクリーンで洗練された印象を手にすることができます。

このテクニックの主役となるのが、「コンシーラーブラシ」。細部までコントロールしやすい、コシのある平筆タイプが最適です。

  1. コンシーラーの選び方と取り方
    使用するコンシーラーは、自分の肌色よりワントーン明るいリキッドタイプか、クリームタイプがおすすめです。ブラシの先端に、ほんの少しだけコンシーラーを取ります。この時、直接チップから取るのではなく、一度手の甲に出してから量を調整すると、厚塗りを防げます。
  2. 眉の輪郭を縁取る
    まず、眉の下側のラインに沿って、ブラシを滑らせます。眉頭の下から眉尻まで、先ほどアングルブラシで描いたラインをなぞるように、細く、均一な線を引きます。この時、描いた眉にコンシーラーが触れないよう、慎重に作業するのがポイントです。次に、眉の上側のラインも同様に縁取ります。
  3. 肌との境界線をぼかす
    コンシーラーで眉を縁取っただけでは、ただの白い線が浮き出てしまい、不自然です。ここからが重要。何もついていない指の腹、または清潔なスポンジを使って、コンシーラーの外側の境界線を、優しくトントンと叩き込むようにして、肌に馴染ませていきます。眉の輪郭は崩さず、肌との境目だけをぼかすイメージです。

この工程を経ることで、どんな効果が得られるのでしょうか?

  • 眉の輪郭が際立つ:肌とのコントラストが生まれることで、眉の形がくっきりとシャープに見えます。
  • ハイライト効果:眉の周りが明るくなることで、目元全体に立体感が生まれ、リフトアップしたような印象を与えます。
  • 剃り残しや赤みをカバー:眉周りの細かなアラを隠すことで、清潔感が格段にアップします。

私自身、重要な撮影やイベントの前には、必ずこのコンシーラーでの仕上げを行います。ほんの数分の作業で、写真写りが劇的に変わるからです。まるで、眉というアート作品に、完璧な額縁をしつらえるようなもの。このプロの技を取り入れて、あなたの眉メイクを、さらなる高みへと引き上げてみてください。

9. ブラシのお手入れ方法と買い替え時期

お気に入りのアイブロウブラシを見つけたら、その性能を長く保つために、適切なお手入れは欠かせません。汚れたブラシを使い続けることは、美しい眉が描けないだけでなく、肌トラブルの原因にもなりかねません。ここでは、基本的なお手入れ方法と、ブラシの寿命を見極める買い替え時期のポイントについて解説します。

基本的なお手入れ方法

  • 普段のお手入れ(毎回使用後)
    使用後は、ティッシュペーパーの上でブラシを優しく滑らせ、残っているパウダーを払い落とすだけで十分です。この一手間を習慣にするだけで、ブラシを清潔に保つことができます。
  • 定期的な洗浄(月に1〜2回程度)
    汚れが気になってきたり、パウダーの含みが悪くなってきたと感じたら、洗浄のサインです。
    1. ぬるま湯に、専用のブラシクリーナーまたは中性洗剤を少量溶かします。
    2. ブラシの毛先だけをその中に入れ、指の腹で優しく振り洗いします。金具の部分まで水に浸けてしまうと、接着剤が劣化し、毛が抜ける原因になるので注意が必要です。
    3. 汚れが落ちたら、きれいなぬるま湯で、洗剤が完全に落ちるまで十分にすすぎます。
    4. 指で優しく毛先を絞り、乾いたタオルで水気を拭き取ります。この時、毛の形を元の状態に整えるのがポイントです。
    5. 風通しの良い日陰で、完全に乾くまで自然乾燥させます。直射日光やドライヤーの熱は、毛を傷める原因になるので避けましょう。

ブラシの買い替え時期

どんなに丁寧にお手入れをしていても、ブラシには寿命があります。以下のようなサインが見られたら、新しいブラシへの買い替えを検討しましょう。

  • 毛先が広がってきた:先端のまとまりがなくなり、シャープなラインが描きにくくなります。
  • 毛が抜けるようになった:洗浄中や使用中に、頻繁に毛が抜けるのは劣化のサインです。
  • 肌あたりが悪くなった:毛のコシがなくなり、チクチクとした刺激を感じるようになります。
  • 汚れが落ちにくくなった:洗浄しても、根元の汚れが取れなくなった状態です。

一般的に、使用頻度やお手入れの状況にもよりますが、人工毛で1〜2年、天然毛で3〜5年程度が買い替えの一つの目安とされています。

愛用のブラシを大切に扱うことは、美しい眉を育むことと同じです。適切なケアで、最高のパートナーと一日でも長く、良い関係を築いていきましょう。

10. ワンランク上のアイブロウを叶える名品ブラシ

最後に、これまでの選び方や使い方を踏まえ、あなたのアイブロウメイクをさらに格上げしてくれる「名品」と呼ばれるブラシの条件についてご紹介します。特定の製品名ではなく、どのような特徴を持つブラシがプロからも愛され、長く使い続けられているのか、その本質に迫ります。

  • 絶妙なコシと柔らかさを両立したミックス毛ブラシ
    天然毛のふんわりとした粉含みと、人工毛のシャープな描きやすさ。その両方の「いいとこ取り」をしたのが、天然毛と人工毛を独自の比率でブレンドしたミックス毛のブラシです。これにより、一本で眉全体のベース作りから、眉尻の繊細なラインまで、高次元で対応することが可能になります。熟練の職人技が光る一本は、まさに万能選手と呼ぶにふさわしい存在です。
  • 持ち運びに便利なショートタイプの本格ブラシ
    外出先でのメイク直しで、付属の小さなブラシに不満を感じたことはありませんか? そんな悩みに応えるのが、プロ仕様の品質はそのままに、柄の長さだけを短く設計したショートタイプのブラシです。ポーチにすっきりと収まる携帯性でありながら、毛質や形状には一切の妥協がない。そんな一本があれば、いつでもどこでも、朝の完璧な眉を再現することができます。
  • ダブルエンドタイプの機能的ブラシ
    一本のブラシの両端に、異なる種類のブラシ(例えば、パウダーブラシとスクリューブラシ、あるいはアングルブラシとスクリューブラシ)がセットされたダブルエンドタイプ。これは、忙しい現代人にとって非常に合理的な選択肢です。持ち替える手間が省け、メイク時間を短縮できるだけでなく、ポーチの中身をミニマルに保つことができます。機能性を追求しながらも、それぞれのブラシの品質が高いものを選ぶのがポイントです。
  • 細部を極める極細のアングルブラシ
    眉毛一本一本を描き足す「マイクロブレーディング」のような、極めて繊細な表現を追求したいなら、通常のアングルブラシよりもさらに先端が細く、薄く作られた極細タイプがおすすめです。まるでアートペンで描くかのように、ミリ単位での調整が可能になり、自眉と見分けがつかないほどのリアルな仕上がりを実現します。

これらのブラシは、決して安価なものではないかもしれません。

しかし、適切に手入れをすれば何年も使い続けることができる、まさに一生モノの投資です。自分へのご褒美として、あるいはメイクのスキルを本気で向上させたいと思った時に、こうした「名品」の世界に足を踏み入れてみるのも良いのではないでしょうか。

参考ページ:眉毛を剃ると濃くなるはウソ?専門家が解説する眉毛の都市伝説


最高の仕上がりは、最高の「道具」との出会いから始まる

これまで、アイブロウブラシが持つ力と、その奥深い世界について解説してきました。付属のブラシで済ませていた日々から一歩踏み出し、専用ブラシを手に取ること。それは、単にメイクの道具を変えるという行為以上に、自分自身の美しさと丁寧に向き合うという、意識の変化そのものなのかもしれません。

ふんわりとした眉頭を描くための柔らかなパウダーブラシ、知的でシャープな眉尻を創造するアングルブラシ、そして全体の調和を生み出す万能なスクリューブラシ。それぞれが持つ個性を理解し、あなたのなりたいイメージに合わせて使い分けることで、眉はもはや単なる顔のパーツではなく、あなたという個性を表現するための、自由なキャンバスへと変わります。

高価な道具を揃える必要はありません。大切なのは、まず「これだ」と思える一本を見つけ、その相棒とじっくり対話してみることです。

ブラシの角度、力の入れ具合、動かすスピード。ほんの少しの変化で、仕上がりが劇的に変わる面白さを、ぜひ体感してください。その試行錯誤のプロセスこそが、あなただけの「理想の眉」を創り上げる、最も確かな道のりとなるはずです。今日から、あなたのメイクポーチに、最高のパートナーを加えてみませんか?