第3回JEBLAアイブロウ資格検定 in 大阪

執筆者:JEBLA本部認定講師 小林郁佳

試験官が見た、挑戦と成長のリアル

2025年9月1日、ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)が主催する「第3回アイブロウ資格検定」大阪会場が開催されました。今回も多くの受験者が全国から集まり、アイブロウの専門資格取得に挑戦しました。

私は今回、試験官として検定に立ち会わせていただきました。評価という責任ある役割を担いながらも、一人ひとりの姿勢から多くの気づきや感動をいただいた一日でもありました。ここでは、その現場のリアルとともに、受験者たちの熱意、そしてこの検定が持つ意味についてお伝えします。

多様な背景を持つ受験者が集結

会場には、すでに美容業界で活躍している方から、これからプロとして第一歩を踏み出す方まで、多種多様な受験者が集まりました。サロンオーナー、アイリスト、ヘアメイク、美容専門学生、ブランク明けの再挑戦者など、立場も年齢層も様々です。

共通していたのは、「眉というパーツの重要性を理解し、それを専門的に学び直したい」という真剣な想い。ある受験者は「今の時代、眉で印象は決まる。サロンでも一番お客様に褒められる技術にしたい」と語ってくれました。そのような“志の高さ”が、会場の空気をピリッと引き締めていたのが印象的でした。

JEBLA検定とは?実践力と人間力を評価する独自の構成

JEBLAの検定は、以下の2種類があります:

  • アイブロウワキシング検定(3級〜1級)
  • アイブロウデザイン検定(3級〜1級)

いずれも筆記と実技を含む構成で、級が上がるにつれて応用力やカウンセリング力が強く求められます。

特に注目すべきは、「技術力だけではなく、“信頼される技術者であるか”まで評価の対象となる点」です。
施術中の姿勢・表情・言葉遣い・配慮、すべてが評価に含まれます。

これはJEBLAが「眉技術=人と人をつなぐ仕事」と捉えているからこそ。お客様が安心して任せられるアイブロウデザイナーを育てることが、本検定の目的の一つです。

筆記試験は“座学力”ではなく“現場力”が問われる

筆記試験では、単なる知識の暗記ではなく、現場で必要とされる判断力が問われます。

例えば、皮膚構造の理解やワキシング理論に関しては、なぜ赤みや皮膚トラブルが起こるのか?という本質的な問いを立て、それを防ぐための理論的根拠をしっかり答える必要があります。

また、近年では、カウンセリングや衛生管理の重要性がより高まっています。顔の骨格・筋肉の動き・ライフスタイルへの配慮など、総合的な視点でお客様に「似合わせ」を提案できるかどうかが求められます。

私たち試験官は、ただ正解を書いたかどうかではなく、「なぜそう考えるのか」「どう伝えるのか」まで含めて、受験者の理解度と実践力を見ています。

実技試験は、“人としての丁寧さ”がにじみ出る場

最も緊張感が漂うのが、モデルを使った実技試験です。

受験者たちは、骨格・左右差・筋肉の動きを観察し、限られた時間内に最適なデザインを導き出し、ワキシングから仕上げまでを行います。1級ではカウンセリング〜仕上げのプレゼンテーションまで含めて評価されます。

特に印象的だったのは、緊張で手が震えていたある受験者。最初のカウンセリングで詰まりながらも、目の前のモデルに対して「大丈夫ですよ」「少しチクっとしますね」と一つ一つ丁寧に言葉を添えて施術を進めていきました。

その姿に、私たち試験官も思わず胸が熱くなりました。技術はまだ発展途上でも、「安心させたい」「笑顔で終わってもらいたい」という気持ちが施術からにじみ出ていました。

合否以上に大切なのは“挑戦する姿勢”

検定は合否がつくものですが、私たちが本当に大切にしているのは「結果」ではなく「挑戦の姿勢」です。

合格した方には、JEBLA認定アイブロウデザイナーとしての誇りと責任が生まれます。不合格だった方にとっても、この経験自体が大きなステップであり、必ず次につながる財産になります。

実際に、過去の検定で不合格だった方が、何度も学び直し、ついに1級に合格するというケースも少なくありません。そのプロセスの中で、技術だけでなく、人間的な厚みやプロ意識が確実に育っていくのを私たち試験官は目の当たりにしてきました。

今、眉の専門家が求められている時代

ここ数年で、アイブロウに対する社会的な認知と需要は大きく変化しています。

SNSやメディアでも「眉は顔の印象の8割を決める」と言われ、パーツ美容の中でも専門性が高く、繊細な技術が必要とされる分野となっています。にもかかわらず、まだまだ「誰でも施術できる」「資格がなくてもOK」とされるサロンも少なくありません。

だからこそ、安全性・衛生管理・心理的配慮に至るまでを学んだ技術者の存在が求められているのです。

JEBLAが定める資格制度は、単なる“肩書き”ではなく、お客様の信頼に応えるための「最低限の保証」であり、「業界の質を高めるための基準」として機能しています。

資格は、あくまでも“スタート”

最後に、試験官として何度も現場を見てきた立場から、あらためて伝えたいことがあります。

それは、「資格はゴールではなく、スタートである」ということです。

合格して終わりではありません。そこから始まる毎日の施術、お客様との対話、技術のアップデートこそが、プロとしての道のりです。

JEBLAの検定は、あなたの“挑戦”の証であり、“次のステージへの扉”です。

今後、検定に挑戦される方へ。緊張も、失敗も、全てが学びです。その一歩を踏み出した時点で、すでに成長は始まっています。ぜひ、自信を持って挑んでください。

まとめ

第3回を迎えたJEBLAアイブロウ資格検定。回を重ねるごとに、受験者のレベルも高まり、業界の成熟も感じられるようになってきました。

私は試験官として、多くの“本気”に立ち会えたことを心から誇りに思います。そしてこの検定が、受験者一人ひとりの未来にとって、確かな足がかりとなることを願ってやみません。

次回の検定で、また新しい出会いと成長のドラマに立ち会えることを楽しみにしています。