リキッドアイブロウの使い方|1本1本描くコツと色・筆先の選び方

リキッドアイブロウで描く、1本1本の自然な眉

リキッドアイブロウは、極細の筆先で眉の毛を1本ずつ描き足せるアイテムです。眉尻や毛の少ない部分に毛流れに沿って短い線を描き、パウダーと組み合わせると自然な立体感が出ます。色は髪色より少し明るめを選び、迷ったら薄い方から始めると失敗が少なくなります。

「夕方になると、眉尻が消えてなくなる…」

「パウダーだけで仕上げると、なんだかのっぺりしてしまう…」

「もっと、自眉がフサフサしているように見せたい!」

眉メイクの悩みは、本当に尽きることがありませんよね。

リキッドアイブロウには、「難しそう」「描きました感が出そう」「海苔みたいになったらどうしよう…」という苦手意識を持つ方も多いアイテムです。

ペンシルで描いてはぼかし、パウダーを重ね、眉マスカラで整える。それでも汗をかいた日には眉尻が薄くなってしまう、という悩みもよく聞かれます。

そんなときに試したいのが、細い線を描けるリキッドアイブロウです。

これからお話しするのは、単なるメイクのテクニックではありません。

リキッドアイブロウに苦手意識がある方に向けて、1本1本描き足したような自然で落ちにくい眉を作るための考え方と使い方をまとめました。

1. リキッドアイブロウのメリットとは?

リキッドアイブロウが避けられやすい理由は、その「くっきり、はっきり」としたイメージにあります。ペンシルやパウダーのふんわりとした質感に慣れていると、液体のアイブロウはサインペンのようにシャープに見えるかもしれません。

しかし、使い方を知るとリキッドアイブロウならではのよさが見えてきます。それは、大きく分けて3つあります。

メリット1:「落ちにくさ」

リキッドは肌に密着しやすいのが特徴です。

そのため、汗や皮脂・前髪の摩擦などで崩れにくいとされています。落ちにくさは商品によって違うため、商品の説明を確かめて選びましょう。

特に、眉毛がほとんど生えていない「眉尻」は、皮脂が出やすいこともあり、夕方には消えてしまいがち。この眉尻のラインをリキッドで描いておくだけで、「一日中、眉がある」という、圧倒的な安心感を手に入れることができます。夏のフェスで汗だくになっても、温泉に入っても、私の眉尻はそこに在り続けた。この感動は、一度味わうと、もう後戻りはできません。

メリット2:「1本1本」を描き足せるリアル感

ペンシルでは「面」を埋めることしかできず、パウダーでは「影」を作ることしかできません。

しかし、リキッドアイブロウは、極細の筆先で本物の毛のような「線」を描き足しやすいツールです。

眉頭の立ち上がりの毛、眉尻のシュッとした流れ、眉の中の「ちょっとした隙間」。

ここに、毛流れに沿って数本のリキッドの線を加えるだけで、眉全体に立体感が出ます。のっぺりとした「描いた眉」から、元から毛があるような「自眉感」のある眉に近づけられます。

メリット3:メイク全体の「洗練度」が格段にアップする

眉尻のラインが、シャープに、そして美しく決まっている。ただそれだけで、顔全体の印象は驚くほど引き締まり、メイク全体が「きちんと手入れされている」という、洗練された印象になります。

ふんわり眉も可愛いけれど、大人の女性としての品格や、知性を演出したい時、リキッドで描かれたシャープな眉尻は、何よりの武器となるのです。

リキッドアイブロウは、単に「落ちない」だけのアイテムではありません。あなたの眉メイクを、平坦な「2D」から、奥行きのある「3D」へと進化させ、メイク全体のクオリティを格上げしてくれる、魔法の一筆なのです。

※関連記事:眉メイクの順番、本当にそれで合ってる?美眉を叶える正しいプロセス

2. 初心者でも選びやすい色の選び方

リキッドアイブロウで初心者が犯しがちな、最も悲劇的な失敗。それは「色選び」です。

黒髪だからと一番濃いダークグレーを選ぶと、思ったより濃く見えることがあります。リキッドはペンシルやパウダーに比べて発色が良いため、色選びの差が「描きました感」につながりやすいのです。

そこで、選ぶときに押さえたい「色選びの法則」を紹介します。

基本法則:「髪色」より、ワントーン明るめを選ぶ

これは、アイブロウメイクの基本中の基本ですが、リキッドにおいては、より強く意識する必要があります。「髪色と同じ色」を選ぶと、リキッドのしっかりとした発色と相まって、眉だけが顔の中で悪目立ちしてしまいます。ほんの少しだけ明るい色を選ぶことで、肌になじみ、自然な抜け感が生まれます。

応用法則1:「瞳の色」と「肌の色」で、微調整する

髪色だけで選ぶと、時々「なんだか浮いて見える…」という現象が起こります。そんな時は、あなたの「瞳の色」と「肌の色(パーソナルカラー)」を考慮に入れると、驚くほどしっくりくる色が見つかります。

<瞳の色が明るい茶色の方、イエローベースの肌の方>

少し黄みがかった「ライトブラウン」や「オリーブブラウン」がおすすめです。温かみのある色が、肌や瞳と調和します。

<瞳の色が黒〜こげ茶の方、ブルーベースの肌の方>

赤みを抑えた「アッシュブラウン」や「グレーブラウン」が、クールで洗練された印象にマッチします。黒髪の方が、真っ黒や濃すぎるグレーを選ぶと、本当に「海苔」のようになってしまうので、少しだけ茶色みのあるグレーを選ぶのが、垢抜けの秘訣です。

迷ったときの法則:「迷ったら、薄い方を買う」

店頭のテスターで、2つの色で迷ったら、必ず「薄い方」を選んでください。

なぜなら、リキッドアイブロウは、重ね塗りすることで、いくらでも濃く調整することが可能だからです。

しかし、一度濃く描いてしまったものを、薄く修正するのは至難の業。

特に初心者のうちは、「ちょっと薄いかな?」と感じるくらいの色から始めるのが、失敗を回避するための、最も賢明な選択です。

最近のリキッドアイブロウは、本当にカラーバリエーションが豊富です。

ピンクブラウン、オレンジブラウン、アッシュピンク…。基本の色をマスターしたら、アイシャドウやファッションに合わせて、眉色で「遊ぶ」ことができるのも、リキッドの大きな魅力の一つ。

まずは、失敗のない基本色で自信をつけて、あなただけの色を見つける旅に出てみてください。

3. 筆先の種類(細筆・フェルト)と特徴

リキッドアイブロウの世界に足を踏み入れると、あなたは二つの選択肢に直面します。

それは、筆先が「細筆(筆ペン)タイプ」か、「フェルトタイプ」か、という問題です。

これは、絵を描く時に、繊細な日本画用の筆を選ぶか、安定感のあるサインペンを選ぶかに似ています。どちらが良い・悪いではなく、あなたの「目的」と「スキル」によって、最適なパートナーは変わってきます。

細筆(筆ペン)タイプ:繊細な線を描く、孤高のアーティスト

まるで書道の小筆のように、一本一本が細くしなやかな毛で作られたタイプです。

<特徴とメリット>

・究極の繊細ライン: 筆のしなりを活かすことで、まるで本物の毛と見分けがつかないような、強弱のある、ごくごく自然な線を描くことができます。

・自由自在な表現力: 筆を寝かせれば太い線、立てれば細い線と、力の入れ具合や角度によって、線の太さを自由自在にコントロールできます。眉尻の、あのシュッと消え入るようなシャープなラインを描けるのは、このタイプならではの芸当です。

<デメリットと注意点>

高い技術力が必要: 筆先が柔らかいため、安定した線を描くには、ある程度の練習と慣れが必要です。手がブレやすい方や、初心者の方には、少し難しく感じるかもしれません。

<こんな方におすすめ>

・「とにかくリアルな毛並み感にこだわりたい」という、完璧主義者の方。

・ある程度メイクに慣れていて、より高度な表現を求める中〜上級者の方。

フェルトタイプ:安定感抜群の、頼れる優等生

リキッドアイライナーなどでもおなじみの、硬めのフェルトで作られたペン先です。

<特徴とメリット>

・抜群の安定感: 筆先が硬く、しなりが少ないため、手ブレしにくく、誰でも均一で安定した線を描くことができます。

・初心者でも簡単: まるでサインペンで描くような感覚で、狙った場所に、思った通りの線を引くことができます。リキッドアイブロウへの苦手意識を克服するには、まずこのタイプから入るのが、圧倒的におすすめです。

<デメリットと注意点>

・表現の幅が狭い: 細筆タイプのような、強弱のある繊細な表現は少し苦手。ややもすると、均一すぎて「描きました感」が出てしまうことも。

・液の含み: 使い続けていくうちに、ペン先にファンデーションなどが詰まり、液が出にくくなることがあります。こまめにティッシュで拭き取るなどのメンテナンスが必要です。

<こんな方におすすめ>

・「リキッドは初めて」という、初心者の方。

・「とにかく手ブレせずに、安定した眉尻を描きたい」方。

最初はフェルトタイプでリキッドに慣れ、描けるようになってから細筆タイプを試すと、無理なくステップアップできます。

4. 眉尻をシャープに描くテクニック

眉尻で眉全体の印象が決まる

パウダーでふんわりと描かれた眉も素敵ですが、リキッドで描いたシャープな眉尻は、顔全体の印象を引き締めて見せます。夕方まで眉尻を残しやすいのもよいところです。

この「消えない美眉尻」を手に入れるための、具体的なテクニックを、ステップバイステップで解説します。

STEP 1:土台を整える

描く前の、ほんのひと手間が、仕上がりと持続力を大きく左右します。

眉を描く部分に、フェイスパウダーをブラシで軽く乗せ、余分な油分やスキンケアの油膜をオフします。肌表面をサラサラにしておくことで、リキッドが滑らず、しっかりと定着します。

STEP 2:黄金比で「終点」を決める

闇雲に描き始めるのではなく、まず眉尻のゴール地点を決めます。

一般的に美しいとされるのは、「小鼻の脇と、目尻を結んだ延長線上」です。

アイブロウペンシルなどを当てて、その位置に小さな点(ガイド)を打っておくと、迷わず描くことができます。

STEP 3:「小指」で手元を固定する

これが、手ブレを防ぐための、最も重要で、最も簡単なプロの技です。リキッドを持つ手の小指を、頬骨の高い位置にそっと置きます。これだけで、小指が「支点」となり、手元が驚くほど安定します。まるで、三脚を立ててカメラを構えるようなものです。

STEP 4:筆を「立てて」、力を抜いて描く

眉の上側のラインから、先ほど決めたゴール地点に向かって、筆を肌に対して垂直に近い角度で立て、「スーッ」と一息で線を描きます。この時、力を入れすぎないのが最大のポイント。「肌の表面を、筆先で優しくなでる」くらいの、ごくごく軽いタッチで描きましょう。力を入れると、線が太くなり、ベタっとした印象になってしまいます。

STEP 5:下のラインと繋げて、隙間を埋める

上のラインが描けたら、今度は下のラインも同様に描き、2本の線で眉尻の輪郭を決めます。その後、その内側の隙間を、毛流れに沿って、1本1本埋めるように描き足していきます。

最初は、綿棒やコンシーラーを横に置いて、はみ出したらすぐに修正できるようにしておくと安心です。このシャープな眉尻が、一度決まるようになると、あなたのメイクのレベルは、間違いなく数段階アップします。

※関連記事:アイブロウの描き方を練習するときの考え方

5. 眉頭や足りない部分に毛を描き足す方法

リキッドアイブロウの真骨頂は、眉尻だけでなく、「足りない部分に、まるで本物の毛が生えているかのように、自然に描き足せる」点にあります。

このテクニックをマスターすれば、あなたの眉は、もはや「描く」という概念を超え、「創り出す」という、アーティストの領域へと到達します。

眉頭:「下から上へ」立ち上がりを創る

眉頭は、顔の印象を決定づける、最も重要なパーツです。ここにリキッドをベタっと塗ってしまうと、一気に不自然な「怒り眉」になってしまいます。

<コツ>

筆先に残った、ごく少量の液で描くのがポイント。一度ティッシュで軽く液量を調整してから、鏡を少し見下ろすように持ち、眉毛の下のラインから、上に向かって、シュッシュッと、毛を数本描き上げるイメージです。まるで、地面から草が生えているかのように。この「抜け感」が、垢抜けた印象を創り出します。

眉の中間(毛が薄い部分):毛流れに沿って「隙間」を埋める

眉毛の一部が薄く見えて悩んでいる方は、少なくないはずです。この隙間をペンシルやパウダーで埋めようとすると、その部分だけ色が濃くなり、不自然になってしまうことがあります。

<コツ>

ここでこそ、リキッドの出番です。筆を、周りの毛が生えているのと同じ角度に傾け、毛流れに沿って、「チョン、チョン」と、1本ずつ、丁寧に線を描き足していきます。「面」で埋めるのではなく、あくまで「線」で隙間を埋める。この意識が、驚くほど自然な仕上がりを生み出します。

全体のバランスを見る「引きの目」

夢中になって1本1本描いていると、つい視野が狭くなりがち。数本描いたら、一度顔を上げて、腕を伸ばした距離から、鏡で顔全体のバランスを確認する癖をつけましょう。左右の眉の高さは合っているか、濃さは均一か。

この「引きの目」で見る時間を持つことが、左右非対称な「ちぐはぐ眉」を防ぐための、何よりの秘訣です。

この描き足しテクニックは、もはやメイクというより、アートに近い作業かもしれません。

しかし、自分のコンプレックスだった部分が、自分の手で、まるで最初からそうであったかのように美しく生まれ変わる。その感動は、何物にも代えがたい喜びです。

描き足す前に眉の形を決めておく

リキッドで1本ずつ毛を描き足す前に、眉全体の形を決めておくと仕上がりが安定します。眉頭・眉山・眉尻の位置と左右のバランスが決まっていないと、線を足すほど形がずれて見えることがあるためです。

眉の形は、眉そのものだけでなく目元や顔全体との関係で考えます。一般社団法人ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)のアイブロウデザイン検定は、この考え方で眉のデザインを評価する検定です。3級は眉の基本形と左右のバランス、2級は目元や顔のバランスに合わせたデザイン、1級は顔全体の印象に合わせたデザインと提案の力を確かめます(アイブロウデザイン検定)。

協会はこの検定について、感覚に説明できる根拠を持たせることを大切にしていると案内しています。自分で形が決まらないときは、眉のデザインを学んだ技術者に相談するのもひとつの方法です。左右差が気になる方は眉の左右差の記事も参考にしてください。

6. パウダーとの併用で立体眉に

リキッドアイブロウを使い始めたばかりの頃に多い失敗があります。

それは、「全部をリキッドだけで仕上げようとして、のっぺりとした、貼り付けたような眉になってしまう」というものでした。

リキッドは「線」を描くのは得意ですが、「面」をふんわりと埋めるのは、少し苦手。

そこでおすすめなのが、リキッドアイブロウと、ふんわり質感の「アイブロウパウダー」を組み合わせる方法です。

この二つを組み合わせることで、それぞれの長所が最大限に引き出され、単体で使うよりも、遥かに立体的で、自然で、そして落ちにくい「最強の眉」が完成するのです。

まるで、建物を建てる時のように。リキッドで「骨格」を作り、パウダーで「肉付け」をする、というイメージです。

組み合わせパターン1:「仕込みパウダー」で、ガイドラインを作る

これは、リキッドにまだ慣れていない初心者の方に、特におすすめの方法です。

1. まず、アイブロウパウダーの明るい色を使い、眉全体の形を、ふんわりと縁取ります。「私は、こういう眉になりたい」という、下書き(ガイドライン)を描くイメージです。

2. そのガイドラインに沿って、リキッドアイブロウで、眉尻や、毛の足りない部分を描き足していきます。下書きがあるので、大きく失敗することがありません。

3. 最後に、スクリューブラシで全体を軽くぼかせば、リキッドのラインがパウダーと自然に馴染み、驚くほどナチュラルな仕上がりに。

組み合わせパターン2:「仕上げパウダー」で、立体感を出す

これは、より立体感とふんわり感を重視する、中〜上級者向けの方法です。

1. まず、リキッドアイブロウで、眉尻のラインと、毛の足りない部分の「骨格」を、完璧に描きます。この時点では、少しシャープすぎるくらいでOKです。

2. 次に、アイブロウパウダーを取ります。眉頭には一番明るい色を、眉の中央には中間色を、そして眉尻に向かって一番濃い色を、グラデーションになるように、ふんわりと乗せていきます。

3. このパウダーが、リキッドで描いたシャープな線を、内側から和らげ、まるで本物の眉が持つような、自然な陰影と立体感を生み出してくれるのです。

4. 最後に、眉マスカラで毛流れを整えれば、プロ級の立体眉が完成します。

普段のメイクでは、この「仕上げパウダー」の方法が取り入れやすいでしょう。リキッドの落ちにくさとパウダーの柔らかさを、どちらも生かせます。

※関連記事:アイブロウデザインにおける色彩学|色で立体感と透明感を出す

7. 汗や皮脂に強い!落ちない眉の仕込み技

リキッドアイブロウは、それ単体でも非常に落ちにくいアイテムです。

しかし、真夏の炎天下でのレジャー、汗だくになるスポーツ、あるいは絶対にメイクを崩したくない、結婚式のような特別な日。

そんな「眉を崩したくない」という日に取り入れたい「仕込み技」があります。

メイクの仕込みとして取り入れやすい方法を紹介します。仕込みをするかどうかで、眉の持ちが変わって感じられることもあります。

仕込み技1:「サンドイッチ・パウダー」法

これは、リキッドアイブロウを、フェイスパウダーで挟み込む、というテクニックです。

1. スキンケア後、眉を描く前に、まず、アイブロウエリアに、フェイスパウダー(ルースタイプがおすすめ)を、ブラシで薄く、均一に乗せます。これにより、肌表面の余分な油分が吸収され、サラサラのキャンバス状態になります。

2. その上から、リキッドアイブロウで、いつも通り眉を描きます。

3. 眉を描き終えたら、仕上げにもう一度、上からフェイスパウダーを、大きめのブラシで、ふんわりと重ねます。
この「パウダー→リキッド→パウダー」というサンドイッチ構造が、リキッドを肌にがっちりと固定し、汗や皮脂がリキッドに直接触れるのを防いでくれるのです。

仕込み技2:「アイブロウコート」で、物理的にコーティング

「アイブロウコート」は、描いた眉の上から重ねる、透明なトップコートのようなアイテムです。

仕上げにひと塗りすることで、描いた眉を崩れにくくするためのアイテムです。使い方はメーカーの説明書に従いましょう。

<ポイント>
液体がドバっとつくと、せっかく描いた眉が滲んでしまうことがあるので、容器の口でしっかりと液量を調整し、眉毛をなでるように、ごくごく薄く塗るのがコツです。速乾性の高いものを選びましょう。

仕込み技3:大切な日は2つの仕込みを重ねる

汗や涙が気になる大切な日は、「サンドイッチ・パウダー法」と「アイブロウコート」を重ねて使う方法もあります。どちらも肌に合うかを確かめてから取り入れましょう。

※関連記事:眉の左右差が気になるときの描き方

8. リキッドアイブロウのよくある失敗例

どんなに便利なツールも、使い方を間違えれば、悲劇を生み出します。リキッドアイブロウも、例外ではありません。ここでは、多くの初心者が「やっちまった!」と頭を抱える、代表的な失敗例と、その絶望的な状況から生還するための、具体的なリカバリー方法を、私の苦い経験と共にご紹介します。

失敗例1:「海苔」眉

これが、最も恐れられている失敗でしょう。色選びのミスや、力の入れすぎによって、眉全体が、まるで黒いサインペンで塗りつぶしたかのような、のっぺりとした仕上がりになってしまう現象です。

<原因>

・髪色に対して、色が濃すぎる。

・筆を寝かせ、ベタっと塗ってしまっている。

・眉頭まで、しっかりと描きすぎている。

<リカバリー方法>

・乾く前に、スクリューブラシでぼかす! これが一番効果的です。描いてすぐ、リキッドが完全に乾ききる前に、スクリューブラシで眉頭から眉尻に向かって、サッサッと優しくとかします。これにより、ラインがぼやけ、肌に馴染みます。

・綿棒に、コンシーラーか乳液を少量つける。 そして、眉の輪郭をなぞるようにして、はみ出したり、濃すぎたりする部分を、優しく拭き取ります。

失敗例2:「麻呂」または「怒り」眉

眉頭の位置や角度を間違えることで、どこか間の抜けた「麻呂眉」になったり、不自然に険しい「怒り眉」になったりする失敗です

<原因>

・眉頭を、小鼻の真上よりも、内側または外側から描き始めている。

・眉頭の毛を、真横に描いてしまっている。

<リカバリー方法>

・まず、鏡を正面に見て、小鼻の真上の位置に、薄く印をつけます。眉頭は、そこから内側にも外側にも、はみ出さないのが基本です。

・描きすぎてしまった部分は、綿棒で優しくオフ。そして、眉頭は必ず「下から上へ」、毛を数本描き足すだけに留めましょう。

失敗例3:「ガタガタ」または「左右非対称」眉

<原因>

・手元が固定されておらず、ブレてしまう。

・片方の眉だけを見て、集中しすぎている。

<リカバリー方法>

・まず、小指を頬に当てて手元を固定する、という基本に立ち返りましょう。

・そして、数本描くごとに、顔から鏡を離し、顔全体の中での眉のバランスを、常に確認する癖をつけます。左右交互に、少しずつ描き進めていくのも、非対称を防ぐための有効なテクニックです。

失敗は、成功のもと。これらの失敗例とリカバリー方法を頭に入れておけば、もうリキッドアイブロウは怖くありません。恐れず、挑戦してみてください。

9. 筆先と仕上がりで見るリキッドアイブロウの選び方

さて、理論とテクニックを学んだところで、いよいよ、あなたのパートナーとなる「一本」を選ぶ旅に出ましょう。

ここでは、リキッドアイブロウを筆先や仕上がりの特徴でタイプに分けて紹介します。商品によって描き心地や色の出方が違うため、最終的には店頭で試して「描きやすい」と感じたものを選びましょう。

【繊細なラインを描きたい】極細の細筆タイプ

<特徴>

筆先が細くコシがあり、絵の具の細筆のように1本1本の毛を描きやすいタイプです。薄づきの色を選ぶと、重ねても濃くなりすぎにくくなります。

<こんな方におすすめ>

「とにかく自眉感、リアルな毛並み感を追求したい」という、こだわり派の方。メイク中〜上級者の方。

【安定感と描きやすさを重視】中間のかたさの筆先タイプ

<特徴>

フェルトと細筆の中間のような、ほどよくコシのある筆先のタイプです。安定感と繊細さのバランスがよく、色の展開が多い商品もあります。

<こんな方におすすめ>

「リキッドは初めて」という初心者の方。「コストを抑えたいけど、質には妥協したくない」という賢い方。

【落ちにくさを重視】ウォータープルーフタイプ

<特徴>

汗や水に強いとうたわれているタイプです。パウダーと一体になった両端タイプなど、1本で仕上げやすい商品もあります。落ちにくさは商品の説明で確かめましょう。

<こんな方におすすめ>

スポーツをする方、汗をかきやすい方、夏場のレジャーやイベントを控えている方。「とにかく落ちないこと」を最優先する方。

【薄づきでナチュラルに】薄づき・割れ筆タイプ

<特徴>

透けるような薄づきの発色で、眉毛の「影」を描くように隙間を埋めやすいタイプです。筆先が分かれた形のものは、とかすように描くだけで毛流れを出しやすくなります。

<こんな方におすすめ>

「描きました感を絶対に出したくない」という、ナチュラルメイク派の方。眉毛はしっかりあるけれど、部分的に薄いのが悩み、という方。

これらの情報を参考に、ぜひ、あなたの「相棒」を見つける旅を楽しんでください。

10. アイブロウメイクの表現の幅を広げる

リキッドアイブロウを、あなたはまだ「眉毛を描くためだけの道具」だと思っていませんか?

もしそうなら、そのポテンシャルの、まだ半分しか引き出せていません。その極細の筆先と、肌に馴染む絶妙な発色は、眉メイクの領域を遥かに超え、あなたの顔の、あらゆる「影」を操ることを可能にする、魔法の杖となり得るのです。

使い方を知っておくと、メイクの表現の幅が広がります。

応用テク1:「涙袋の影」を、こっそり仕込む

ぷっくりとした涙袋は、目を大きく、そして優しく見せてくれる重要なパーツ。しかし、濃いブラウンのアイシャドウで影を描くと、クマのように見えたり、不自然になったりしがちです。

<方法>

ここで、薄づきのリキッドアイブロウ(特に、グレー系や薄いブラウン)の出番です。にこっと笑った時に、ぷっくりと盛り上がる涙袋の下に、「スーッ」と、ごくごく短い線を描きます。そして、その線が乾かないうちに、指や綿棒で、素早くぼかす。たったこれだけで、まるで生まれつきであるかのような、驚くほど自然な涙袋の影が完成します。

応用テク2:「二重のライン」を、1ミリ延長する

目を閉じた時に、二重のラインが目尻で途切れていませんか?このラインを、リキッドアイブロウで、ほんの1〜2ミリだけ、目の形に沿って描き足してみてください。

<方法>

目を開けた時に、アイラインと平行になるように、すっと流すように描くのがポイントです。これにより、目の横幅が自然に拡張され、アイラインだけを伸ばすよりも、遥かにナチュラルな「デカ目効果」が生まれます。

応用テク 3:「生え際」の隙間を埋める

髪をアップにした時、おでこの生え際のM字部分や、もみあげの薄さが気になることはありませんか?

<方法>

ここにも、リキッドアイブロウが活躍します。髪の毛を描く要領で、地肌の気になる部分に、短い線を何本も描き足していきます。その後、パウダーアイシャドウなどで軽くぼかせば、生え際が自然に見えやすくなります。

リキッドアイブロウは、もはやアイブロウだけのアイテムではありません。あなたの顔の、あらゆる「影」を自在に操り、コンプレックスを魅力へと変える、万能のクリエイティブツールなのです。

※関連記事:アイブロウデッサンで眉の形を学ぶ


新しい「線」が、新しい「自信」をくれる

リキッドアイブロウは、少しハードルの高いアイテムに感じるかもしれません。それでも1本の「線」を取り入れてみると、眉メイクの仕上がりが変わって見えることがあります。

汗をかいても崩れにくいという安心感に加えて、仕上がりにも違いが出ます。

眉尻が、シュッと美しく決まっている。

その小さな変化が、毎日のメイクの自信につながることもあります。

大人のメイクに取り入れやすい方法のひとつです。

この記事でお伝えしたことは、決して難しいテクニックではありません。

まずは、いつもの眉メイクの眉尻の1本の線をリキッドに変えてみましょう。足りない部分に毛を少しだけ描き足してみるのもおすすめです。

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この記事を書いた人

JEBLA編集部は、一般社団法人ジャパンアイブロウライセンス協会の教育方針・資格基準・現場知見に基づき、アイブロウに関する正しい知識や技術情報をわかりやすく発信しています。受講検討者、認定講師、美容従事者の皆さまに向けて、教育・資格・技術・業界動向など、実務に役立つ情報をお届けします。