この記事でわかること
通信課程は3年間・レポートとスクーリングの二本立てで国家試験に進むという全体像
サロン勤務の有無で面接授業の時間数が半分に変わるという制度上の分岐点
学費・学習時間・挫折リスクを踏まえた通信課程の学校選びの判断軸
美容師免許を取りたいけれど、仕事や家庭を止めてまで通学するのは難しい。そう考えて通信課程を調べ始めた方は少なくありません。結論として、通信課程は働きながら国家資格に到達できる正規のルートです。ただし昼間課程より期間は1年長く、学習の進度を自分で管理する必要があります。この記事では、3年間の流れ、自宅でのレポート学習と技術練習の実態、スクーリングで何をするのか、学費がどの程度に収まるのか、そして続けられる人と途中で止まる人の差がどこにあるのかを、制度の基準に沿って整理します。読み終えるころには、自分の生活に通信課程が合うかどうかを、具体的な時間と費用の見通しをもって判断できるようになります。
1. 3年間で国家資格取得を目指す
美容師になるには、国が指定した養成施設を卒業して国家試験に合格する必要があります。この養成施設には昼間課程、夜間課程、通信課程の三つがあり、通信課程の修業期間は3年以上と定められています。昼間課程が2年であるのに対して1年長いのは、通学して受ける授業の比重が小さく、その分を自宅学習と長い期間で補う設計になっているためです。免許そのものに課程による区別はありません。通信課程を修了して合格した人も、昼間課程を出た人とまったく同じ美容師免許を手にします。求人票や施術範囲で不利になることもありません。一方で、卒業までの3年間は自分で走り続ける必要があります。学校が毎日時間割を組んでくれるわけではないため、いつまでに何を終えるかを自分で決める習慣がないと、後半で課題が積み上がります。入学の時期は学校によって4月と10月に分かれ、募集人数も昼間課程ほど多くありません。国家試験は年に2回、実技試験と筆記試験が実施され、卒業見込みの段階で受験の手続きに入るのが一般的な流れです。まずは3年という時間を確保できるかを、仕事や家庭の予定と重ねて確認するところから始めてください。
入学資格と3年間の大まかな流れ
通信課程の入学資格は中学校卒業以上で、高校卒業を必須としない学校が多く見られます。中学校卒業で入学する場合は、現代社会や化学、保健といった普通教育科目が加わるため、提出するレポートの数が高校卒業者より多くなります。1年目は関係法規や衛生管理といった学科の基礎、2年目は美容技術理論と実習の比重が増し、3年目は国家試験の課題に直結する実技へと軸足が移ります。3年目は試験対策と卒業判定が重なる山場になるため、1年目と2年目の遅れをここで取り戻すのは容易ではありません。
昼間課程との違いを数字で把握する
課程を比べるときは、期間だけでなく通学の負担と費用を並べて見ると判断しやすくなります。昼間課程は週5日の通学が前提で、学費は2年間で200万円台から300万円台に届く例が中心です。通信課程は通学日数が限られる分、学費が大きく下がります。時間を取るか、費用を取るかという単純な二択ではなく、収入を止めずに済むかどうかが実際の分かれ目になります。次の表で全体像を確認してください。
| 比較項目 | 昼間課程 | 通信課程 |
|---|---|---|
| 修業期間 | 2年以上 | 3年以上 |
| 通学頻度 | 週5日程度 | 月1回から2回+集中講義 |
| 学費の目安 | 2年で200万円台から | 3年で70万円前後から |
| 働きながら | 両立は難しい | 前提として設計 |
| 取得できる免許 | 美容師免許 | 美容師免許(同一) |
関連記事:【高校生向け】失敗しない美容専門学校の選び方|オープンキャンパスで見るべきポイント
2. 自宅でのレポート学習と練習
通信課程の日常は、送られてくる教材を読み、報告課題であるレポートを解いて提出するという地道な作業の積み重ねです。3年間で提出するレポートは36通から48通程度が一つの目安で、高校卒業者より中学校卒業者のほうが本数は多くなります。単純計算で月に1通から2通ですが、実際には科目ごとに締切が重なる時期があり、余裕をもって前倒しする人ほど後半が楽になります。添削指導の回数は科目ごとに基準が定められており、美容技術理論は8回以上、美容実習は6回以上といった形で下限が決まっています。つまりレポートは形式的な提出物ではなく、合否のある学習の記録です。不合格になれば再提出となり、その分だけスケジュールが後ろにずれます。学科と並行して欠かせないのが技術練習です。カッティングやワインディングは知識で補えない領域で、頭部模型を使った反復以外に上達の道はありません。仕事終わりに30分でも道具を持つ習慣がある人と、スクーリング直前にまとめて練習する人とでは、3年目の到達点が大きく変わります。週単位で練習日を固定することを、入学初月から決めておいてください。
レポートを溜めない提出リズムの作り方
レポートは締切から逆算するのではなく、提出日を自分で前倒しに固定するほうが破綻しません。届いた教材の目次をコピーして章ごとにチェック欄を作り、1週間に読む範囲を決めておくと、机に向かった瞬間に迷わず取りかかれます。返却された添削は答え合わせで終わらせず、間違えた設問の該当ページに付箋を貼って残してください。国家試験の筆記は養成施設で学ぶ範囲から出題されるため、添削の間違いはそのまま3年目の弱点リストになります。1通を一晩で片づけようとせず、20分単位に分けて処理する進め方が続きやすい形です。
自宅で技術練習を続けるための環境づくり
自宅練習で最初につまずくのは、道具を出すまでの手間です。頭部模型とクランプ、シザー、コーム、ロッドを一つの箱にまとめ、広げて5分以内に始められる状態を保つだけで練習回数は明確に増えます。毛髪が飛散するため、床にレジャーシートを敷いて片づけを短縮する工夫も有効です。練習は毎回スマートフォンで撮影し、スクーリングで指摘された点と見比べてください。自分の手元は鏡越しだと角度が分からず、撮影して初めて気づく癖が必ず出てきます。

3. 年に数回のスクーリング(対面授業)
スクーリングは面接授業とも呼ばれ、通信課程で唯一、講師から直接指導を受けられる場です。ここで見落とされがちなのが、必要な時間数が受講者の状況で二段階に分かれるという点です。必要な時間数は勤務の状況によって変わるので、学校の募集要項で確かめましょう。学校は月1回から2回の定期開講に加えて、長期休暇に集中講義を組む形が一般的です。朝から夕方までみっちり実習が続く日もあります。内容は学科の補講だけでなく、シャンプー、カッティング、ワインディング、セッティングといった実技の比重が高く、国家試験の課題に沿った練習が中心になります。欠席した回の振替が難しい学校もあるため、年間予定が発表された時点で職場に共有し、シフト調整を先に済ませておくことが欠かせません。スクーリングは負担の大きい日程ですが、自宅練習の癖をその場で修正できる貴重な機会でもあります。
サロン勤務の有無で変わる負担
面接授業の時間数が半分になる条件は、美容所に常勤で従事していることです。該当するかどうかは在職証明などの書類で確認されるため、入学前に勤務形態を学校へ相談するほうが確実です。サロンで働きながら学ぶ人は、日々の現場で衛生管理や接客の実務に触れているという前提があり、その分だけ通学の負担が軽くなる仕組みになっています。他業種で働いている人や家庭に入っている人は、通学日数が多くなります。ここを誤解したまま入学すると、年間の予定が組み直せなくなります。
スクーリングを最大限に活かす準備
当日に得られる情報量は、事前準備の量で決まります。自宅練習で分からなかった点を3つに絞って書き出し、休憩時間に講師へ質問する形にしておくと、限られた時間で確実に回収できます。実技は言葉で覚えるより手の位置を映像で残すほうが再現しやすいため、撮影の可否を確認したうえで手元を記録してください。同じ班の受講者がどこで減点されているかを観察することも、自分の癖を客観視する材料になります。帰宅後48時間以内に習った内容を一度なぞると、定着率が大きく変わります。
スクーリング前の確認
4. 働きながら学ぶことのメリット
通信課程の最大の利点は、収入を止めずに資格取得へ進める点にあります。昼間課程は平日の日中が授業で埋まるため、学費に加えて2年分の収入を手放す機会損失が生じます。通信課程であれば働き続けられるため、家計への影響を抑えたまま学べます。とくにサロンで働きながら学ぶ場合は、学んだ内容をその週のうちに現場で確認できるという相乗効果があります。衛生管理の知識は器具の消毒作業と直結し、美容技術理論はスタイリストの手元を見る目を変えます。教科書の記述が抽象的に感じられても、実際の施術と結びついた瞬間に定着します。また、免許取得後にサロンでの実務経験がゼロという状態を避けられる点も見逃せません。卒業と同時に現場歴が3年ある人と、これから初めて店舗に立つ人とでは、任される仕事の範囲が異なります。資格と実務経験を同時に積めることは、キャリアの立ち上がりを早める実利的な効果があります。ただし、勤務時間と学習時間の合計は確実に増えます。無理のない範囲で続けられる勤務条件を、入学前に整えておいてください。残業が多い職場や、休日が固定されていない勤務形態では、スクーリングの日程と衝突する可能性が高まります。勤務条件の見直しを含めて検討することが、3年間を走り切るための現実的な準備になります。
現場で学ぶことと教材で学ぶことの補完関係
教材は体系を与え、現場は手順の意味を与えます。この二つがそろうと理解の速度が変わります。たとえば消毒の基準を読んだ直後に、店舗で使われている薬剤の濃度や浸漬時間を確認すると、数字が実感を伴って記憶に残ります。接客の場面でも、お客様の髪質や骨格を観察する視点が加わり、単なる作業補助から一歩踏み込んだ関わり方に変わります。学んだ用語を先輩に質問すると、実務でどう使い分けているかを教えてもらえるため、教材だけでは埋まらない差が縮まります。
両立を支える職場の理解を得る
両立の成否は、職場の協力体制に大きく左右されます。入学が決まった段階で、3年間の通学日数と時期を書面で共有しておくと、シフトを組む側も準備ができます。伝え方としては「休みが欲しい」ではなく、年間予定表を示して代替の出勤日を自分から提案する形が受け入れられやすくなります。資格取得後にどう貢献したいかを併せて伝えると、職場にとっても投資として理解されます。直前の申告を繰り返さないことが、3年間の関係を保つうえで最も重要です。
関連記事はこちら:保護者様へ|お子様の「美容専門学校に行きたい」を応援するための知識と心構え
5. モチベーション維持の難しさと克服法
通信課程で最も現実的な壁は、学力でも技術でもなく継続です。毎日決まった時間に登校する仕組みがないため、忙しい週が続くと学習が自然に止まります。止まった状態から再開するには最初の一歩に大きな力が必要で、そのまま数か月が過ぎてしまう例が少なくありません。やる気に頼らず、仕組みで進めるという発想への切り替えが必要です。有効なのは、学習を意思決定の対象から外すことです。曜日と時間を固定し、その枠が来たら内容を考えずに机に向かう形にすると、迷う余地がなくなります。進捗の可視化も効果があります。提出したレポートの本数を壁のカレンダーに丸で記録するだけでも、残り本数が具体的に見えて手が動きます。もう一つの要点は、目標を3年後に置かないことです。遠すぎる目標は日々の行動を動かしません。今月のレポート2通、今週のワインディング3回というように、達成を確認できる単位まで分解してください。停滞したときは、量を減らしてでもゼロにしない判断が、復帰の負担を最小にします。周囲に宣言しておくことも有効です。家族や職場の同僚に「3年後に免許を取る」と伝えておくと、進み具合を聞かれる機会が生まれ、それ自体が緩やかな締切として働きます。反対に、誰にも言わずに始めると、止まっても誰も気づかないため、再開の合図が自分の中からしか出てこなくなります。
挫折が起きやすい時期を先に知る
停滞が起きやすいのは、入学から半年前後と、2年目の中盤です。半年前後は最初の緊張が緩む時期で、2年目の中盤は課題の難度が上がる一方で試験がまだ遠く、手応えを感じにくくなります。あらかじめ危険な時期を知っておくだけで、落ち込んだときに「想定内」と受け止められます。この時期は新しいことに挑戦せず、すでにできる作業を淡々と続けるほうが安全です。学習量を半分に落としてでも、週に一度は必ず教材を開くという最低ラインを守ってください。
続く人が実践している小さな習慣
続けている人に共通するのは、大きな努力ではなく小さな仕掛けです。教材を出しっぱなしにする、練習用の模型を目に入る場所に置く、学習した日を手帳に一文字だけ書くといった行動が、再開の心理的な負担を下げます。記録は評価ではなく事実だけを残すのが続けるコツです。できなかった日に理由を書き込むと、記録そのものが苦痛になります。三日空いたら次の日に必ず15分だけ触れるという復帰ルールを決めておくと、長期の中断を避けられます。
注意
本記事で示した期間、時間数、学費、レポート本数はいずれも制度上の基準と一般的な目安です。実際の日程や費用は学校ごとに異なります。入学資格や面接授業の時間数の判定、卒業要件については、必ず志望校が公表する最新の募集要項で確認してください。

6. 同じ目標を持つ仲間との出会い
通信課程は一人で進める時間が長い分、仲間の存在が学習の質を左右します。スクーリングで顔を合わせる同期は、年齢も職業も背景もばらばらです。高校を出てすぐの人、他業種から転身を決めた人、育児が一段落して再挑戦する人が同じ班になります。立場が違う人が同じ課題に取り組む環境は、自分の進め方を客観的に見直す機会になります。自宅で一人練習していると、上達しているのか止まっているのかが分からなくなります。ところがスクーリングで隣に立つと、手の速さも仕上がりも一目で比較できます。この比較は落ち込むためのものではなく、次に何を練習すべきかを教えてくれる情報です。連絡先を交換して進捗を共有する関係が一つでもあると、停滞した時期に戻ってこられます。実際、卒業まで到達する人ほど、相談できる相手を早い段階で確保しています。さらに、同期の勤務先の話は業界の相場観を知る材料にもなります。給与、勤務時間、教育体制といった情報は、免許取得後の進路を考えるうえで役立ちます。人脈は資格と並ぶ、通信課程で得られるもう一つの成果です。卒業後も連絡を取り合える相手がいれば、転職や独立を考える場面で相談できます。3年という期間を同じ立場で過ごした関係は、後から作ろうとしても得にくいものです。
限られた対面機会でつながりを作る
スクーリングは日数が限られるため、待っていても関係はできません。初回の休憩時間に、隣の席の人へ勤務先の業種と学習の進み具合を尋ねるだけで会話は始まります。共通の困りごとは最も話しやすい入口です。レポートの進捗や練習時間の作り方は誰もが抱える課題で、情報交換の価値もあります。複数人のやり取りができる場ができれば、欠席した回の内容を確認したり、試験情報を共有したりできます。最初の2回で関係を作ることを意識してください。
比較で落ち込まないための距離感
仲間の存在は支えになる一方で、進度の差が焦りを生むこともあります。サロン勤務者は日常的に道具を握っているため、実技の伸びが早い傾向があります。他業種から入った人が同じ速度を求めると、無理な練習量で疲弊します。比べる対象は他人ではなく、3か月前の自分に置いてください。撮影した練習動画を見返せば、変化は客観的に確認できます。相手の良い手順を一つ盗む、という具体的な目的を持って観察するほうが、感情に振り回されずに済みます。
参考ページ:社会人から美容専門学校へ!通信課程のリアルと卒業後のキャリア
7. 学費を抑えて美容師を目指せる
費用面は通信課程を選ぶ最大の理由になりやすい要素です。昼間課程は2年間で200万円台から300万円台という水準が中心であるのに対して、通信課程は3年間で70万円前後からという例が見られます。差が大きいのは、通学日数が少なく施設の使用機会が限られるためです。ただし、募集要項に記載された学費だけで判断すると見込み違いが起きます。教材費、実習用の用具代、スクーリング時の交通費と宿泊費、国家試験の受験手数料や免許申請の費用が別途かかるためです。通学日数が多い区分に該当する場合、交通費だけで数万円単位の差が出ることもあります。総額を比較するときは、学費と学費以外を分けて積み上げる作業が欠かせません。また、費用を抑えられるという利点は、収入を維持できることと組み合わせて初めて大きな意味を持ちます。学費が安くても仕事を辞めれば家計は苦しくなります。3年間の収支を月単位で書き出し、無理のない支払い計画を立ててから出願してください。分割納入や教育ローンに対応する学校もあるため、募集要項の納入方法まで確認しておくと安心です。納入の時期が学年ごとに分かれているのか、初年度にまとまった支払いが集中するのかによって、必要な準備金は変わります。金額の総和だけでなく、支払いが発生する月の並びまで把握しておいてください。
見落としやすい学費以外の費用
用具は入学時に一式をそろえる形が一般的で、シザーやワインディング用のロッド、頭部模型などが含まれます。消耗品は3年間で買い足しが発生するため、初期費用だけで終わらないと考えておいてください。スクーリングが集中する時期は連続した通学になることもあり、遠方から通う人は宿泊費が積み上がります。国家試験は実技と筆記があり、受験手数料に加えて試験用の用具や材料の準備も必要です。総額は学費の1割から2割増しで見積もると、実態に近づきます。
支援制度と職場からの補助を確認する
負担を下げる手段は学費の安い学校を探すことだけではありません。学校独自の減免制度、日本学生支援機構の奨学金、自治体の支援などが利用できる場合があります。サロンに勤務している人は、資格取得支援制度を設けている職場がないかを確認してください。学費の一部補助や、スクーリング日を勤務扱いとする運用を持つ事業所もあります。制度は申請期限が決まっているものが多いため、入学の数か月前から情報を集めておくと選択肢が広がります。
| 費用の区分 | 主な内容 | 確認するタイミング |
|---|---|---|
| 学費 | 入学金、授業料、施設費 | 出願前 |
| 教材・用具費 | 教科書、シザー、頭部模型、消耗品 | 出願前と各学年の初め |
| 通学関連費 | スクーリングの交通費、宿泊費 | 年間日程の発表時 |
| 試験関連費 | 受験手数料、試験用材料、免許申請 | 3年目の前半 |
参考:美容専門学校の学費はいくら?奨学金・教育ローンを賢く利用する方法
8. 通信課程がある美容専門学校の選び方
通信課程を設置している学校は限られており、選択肢は昼間課程ほど多くありません。だからこそ、条件の優先順位を決めてから比較する必要があります。最初に確認すべきはスクーリングの実施曜日と自宅からの通いやすさです。平日の決まった曜日に開講する学校では、その曜日に休みを取れない勤務形態では3年間通い切れません。次に、面接授業の時間数の区分と、勤務証明の扱いを確認します。同じ通信課程でも、集中講義の日数配分は学校ごとに差があります。三つ目は国家試験に向けた支援体制です。試験対策の補講、模擬試験、卒業後も受験まで指導を受けられるかどうかは、合格までの距離に直結します。四つ目は入学時期で、4月と10月のどちらに設定されているかによって、生活の切り替えやすさが変わります。学校案内の見た目や設備の新しさは判断材料として弱く、自分の勤務形態で3年間通えるかという一点が最も重要です。可能であれば説明会に参加し、在校生の年齢層や欠席時の対応まで質問してください。設置校が少ない以上、条件を全て満たす学校は見つからないと考え、譲れない条件と妥協できる条件をあらかじめ分けておくと、比較が前に進みます。
説明会で必ず聞いておきたいこと
募集要項に書かれていない運用こそ、通い続けられるかを決めます。欠席した場合の振替の可否、レポートが不合格になったときの再提出の期限、進級判定の基準は、学校ごとに扱いが異なります。卒業率や国家試験の合格状況を数字で尋ねることも有効です。答えにくい質問に対して具体的な説明が返ってくる学校は、入学後の対応も期待できます。あわせて、質問窓口が平日日中のみか、夜間や休日にも連絡できるかを確認しておくと、働きながらの相談がしやすくなります。
卒業後の進路を見据えて比べる
学校選びは免許取得までで終わりません。卒業生がどの分野に進んでいるかは、その学校が力を入れている領域を映します。サロンワークだけでなく、まつげや眉といった特定分野、ブライダル、化粧品関連など、進路の幅は広がっています。自分が目指す方向に近い実績があるかを確認してください。卒業後に受けられる講座や、在学中から関連する知識に触れられる機会があるかどうかも、比較の材料になります。

9. 卒業生の体験談とキャリア
通信課程を選ぶ人の背景は多様で、卒業後の進み方も一つではありません。よく見られるのは、アシスタントとして働きながら免許を取り、卒業と同時にスタイリストへの道を進む形です。この場合、免許取得の時点で現場歴が3年あるため、任される範囲が広がる速度が早くなります。別のパターンとして、他業種から転身し、卒業後にサロンへ就職する道があります。年齢を重ねてからの入職には不安がつきものですが、接客や運営の経験がある人は前職のスキルがそのまま強みになる場面が多くあります。さらに、免許取得後に特定分野へ専門化する進み方も広がっています。眉のデザインはその代表で、顔全体の印象を左右する施術として需要が伸びています。美容師免許を前提とする施術を扱えることは、提供できるメニューの幅に直結します。共通しているのは、通信課程での3年間が単なる資格取得の期間ではなく、働き方を組み立て直す時間になっているという点です。卒業後の姿を先に描いておくほど、在学中の学び方も具体的になります。年齢や経歴によって出発点は違っても、免許を取得した時点で立てる場所は同じです。自分がどの入口から入るのかを整理し、そこに合った学び方を選んでください。
働きながら学んだ人がたどる典型的な流れ
サロンに勤めながら学ぶ人の多くは、1年目に学科の基礎と店舗業務の両立に慣れ、2年目に実技の練習量を増やし、3年目に試験対策へ集中するという流れをたどります。2年目の練習量が3年目の余裕を作るという関係は、多くの経験者が指摘する点です。国家試験は年に2回あるため、卒業見込みの時期に合わせて受験計画を立てます。合格後は免許の申請手続きを経て、正式に美容師として施術に携われるようになります。手続きには日数がかかるため、就業開始の予定から逆算して進めてください。
免許取得後に広がる専門分野
免許を得た後は、技術を深める方向と、扱う分野を広げる方向の両方が選べます。眉のデザインは、骨格や毛流れを読み取ってカットや整えを行う繊細な領域で、体系的に学ぶための民間資格も整備されています。既存のお客様へ提案できるメニューが増えることは、単価とリピート率の両面に効きます。なお、眉に対して染毛剤や脱色剤を使用することは注意事項として認められていません。安全性の基準を守った施術を前提に、学ぶ分野を選んでください。
10. 自分のペースで夢を叶える
ここまで見てきたとおり、通信課程は3年間の自宅学習とスクーリングを積み上げて国家試験に到達する現実的なルートです。取得できる免許は昼間課程と同一で、働きながら学べるため収入を止めずに済みます。一方で、学習の管理は自分に委ねられ、面接授業の時間数は勤務状況によって二段階に分かれます。この二点を理解しないまま出願すると、年間の予定も費用も見込みが狂います。判断のために今日できることは二つです。第一に、志望校の募集要項を取り寄せ、スクーリングの曜日と年間日数を自分のシフト表に重ねてみてください。通える形になるかどうかが、数分で判断できます。第二に、学費に教材費と交通費を加えた総額を3年で割り、月あたりの負担額を書き出してください。金額が具体的になれば、続けられるかどうかの見通しが立ちます。通信課程は、時間をかけて確実に前へ進む選択肢です。生活を大きく壊さずに国家資格へ向かえることが最大の価値であり、まずは一校の募集要項を開くことから始めれば十分です。
出願前に整理しておきたい三つの条件
最後に、決断の前に確認しておくべき条件を整理します。通学できる曜日、3年間の総費用、そして学習に充てられる週あたりの時間です。この三つが数字で書き出せていれば、学校選びの比較は一気に進みます。逆に、どれか一つでも曖昧なまま出願すると、入学後に調整が必要になります。条件を紙に書き出す作業は30分で終わります。その30分が、3年間の負担を大きく左右します。
3年後の自分から逆算して考える
通信課程を検討する段階では、どうしても入学までの手続きに意識が向きます。しかし本当に決め手になるのは、免許を取った後にどう働きたいかという像です。サロンで指名を増やしたいのか、特定の分野を専門にしたいのか、いずれ自分の店を持ちたいのかによって、在学中に力を入れるべき科目も、卒業後に選ぶ職場も変わります。3年後の働き方を一文で書いてみると、必要な準備がはっきりします。目的が定まっていれば、レポートの一通も技術練習の30分も、義務ではなく手段として位置づけられます。続く人は目的から逆算しています。学習が止まりそうになったときに立ち返れる一文を、入学前に用意しておいてください。
今日からの3ステップ
美容師免許の通信課程に関するよくある質問
通信課程で取った免許は昼間課程より不利になりますか
A. 免許に課程による違いはありません。
国家試験に合格して交付される美容師免許は、どの課程を修了しても同一です。施術できる範囲や開業の要件にも差はありません。
サロンで働いていなくても通信課程に入れますか
A. 入学できますが、面接授業の時間数が倍になります。
美容所に常勤で従事している人は300時間以上、それ以外の人は600時間以上が基準です。通学日数が変わるため、出願前に区分を確認してください。
高校を卒業していなくても受講できますか
A. 中学校卒業以上で入学できる学校が多くあります。
中学校卒業で入学する場合は普通教育科目が加わり、提出するレポートの本数が増えます。要件は学校ごとに異なるため募集要項で確認してください。
仕事と学習の両立にはどのくらいの時間が必要ですか
A. 週に5時間から8時間を目安に確保してください。
平日30分の学科と休日2時間の技術練習を組み合わせる形が現実的です。時期によって課題量は変動するため、余裕のある月に前倒しすると安定します。
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