この記事でわかること
白髪眉は抜かずに「色・長さ・質感」で整えるという考え方
眉マスカラ・アイブロウメイク・カットの使い分け
サロンでのカウンセリングの進め方と眉のデザインを学ぶ道筋
鏡を見たときに眉の中の白い毛が気になり、つい抜いてしまったことはないでしょうか。サロンでもお客様から眉の白髪について相談を受けることがあります。
結論から言うと、白い毛は抜かずに眉メイクで周りの毛になじませ、長さと毛流れを整えて目立たなくするのがおすすめです。
この記事では白髪の原因や体の内側からのケアには踏み込みません。眉の色そのものを変える方法も扱いません。眉メイクとカットで白い毛を目立たなくする方法と、サロンでの伝え方をまとめます。
1. 白い毛が目立って見える理由
周りの毛との明るさの差
眉の白い毛は1本でも目に入りやすいものです。黒や茶色の毛の中に明るい毛が混ざると、明るさの差がくっきり出るためです。白い毛そのものを消そうとするよりも、周りとの差を小さくすると考えると対処しやすくなります。
跳ねる毛は形の乱れに見える
白い毛は周りの毛と向きがそろわず、跳ねて見えることがあります。毛流れから外れた毛があると、眉全体が整っていない印象になります。色だけでなく長さと向きを整えることも大切です。
本数より見え方で考える
白い毛の本数や増え方には個人差があります。数本でも気になる方もいれば、あまり気にならない方もいます。大切なのは本数ではなく、正面や斜めから見たときに眉が自然に見えるかどうかです。
2. 白い毛は抜かずに残す
抜くと眉の形が崩れやすい
白い毛を見つけると、すぐに抜きたくなる方は少なくありません。けれども抜いた分だけ眉の毛は減り、輪郭や密度が崩れやすくなります。目につきやすい眉山から眉尻の毛を抜き続けると、眉の形の印象が変わってしまうこともあります。
肌への負担も考える
毛を引き抜く動きは、眉まわりの肌に負担をかけます。目のまわりの肌はデリケートなので、刺激はできるだけ少なくしたいところです。肌の状態には個人差があります。気になる変化が続くときは医師に相談するよう伝えましょう。
抜く代わりの3つの方法
抜く代わりに使える方法は大きく分けて3つあります。
- ・色をなじませる:眉マスカラやパウダーで白い毛と周りの毛の明るさをそろえます。
- ・長さを整える:跳ねている毛先だけを短く切り、毛流れの中に収めます。
- ・全体の色味を見直す:髪色に合わせて眉メイクの色を選び直します。
どれか1つに決める必要はありません。お客様の眉の状態や好みに合わせて組み合わせましょう。
お客様には理由も伝える
抜かないほうがよいと伝えるだけでは、習慣はなかなか変わりません。抜くと眉の形が崩れやすいことや、代わりにできる方法があることをあわせて伝えましょう。理由がわかると、お客様も自宅での手入れを続けやすくなります。
3. 眉マスカラで白い毛をなじませる
眉マスカラが向いている理由
眉マスカラは毛の表面に色をのせるメイク用品です。白い毛にも色がのるので、周りの毛となじみやすくなります。その日の髪型や服装に合わせて色を選び直せるのも、メイクならではの良さです。
塗り方の基本
塗る前にスクリューブラシで毛流れを整えます。次に毛流れと逆向きに軽くブラシを動かし、根元近くに色をのせます。最後に毛流れに沿ってとかし、毛の向きをそろえて仕上げます。
ブラシに液がつきすぎていると、毛が束になったり肌についたりします。容器の口で余分な液を落としてから塗りましょう。肌についたときは乾く前に綿棒でふき取ると、きれいに仕上がります。
色がのりにくいときの重ね方
白い毛が多い部分は、1回で色をのせようとするとむらになりがちです。先にパウダーを薄くのせてから眉マスカラを重ねると、なじみやすくなります。重ね塗りは白い毛が集まる部分だけにとどめると、厚塗りに見えにくくなります。
眉マスカラの色の選び方
眉マスカラの色は、髪色に近い色か少し明るい色を選ぶと白い毛となじみやすくなります。白い毛が多い方は、明るめの色のほうが周りの毛との差が目立ちにくいこともあります。いくつかの色を手の甲などで比べてから選ぶと、仕上がりを想像しやすくなります。
4. パウダーとペンシルで眉全体を整える
パウダーで全体の明るさをそろえる
白い毛が混ざる眉は、パウダーで全体にふんわり色をのせると明るさの差が目立ちにくくなります。眉の中央から眉尻へ向けてのせ、眉頭は最後に残った色で軽くぼかします。輪郭をくっきり描かずに境目をぼかすと、やわらかい印象になります。
ペンシルは足りない部分だけに
ペンシルは毛が足りない部分に1本ずつ描き足すときに使います。全体を塗りつぶすように描くと、白い毛との差がかえって目立つことがあります。毛の流れに沿って短い線を重ねると、自然な仕上がりに近づきます。
濃くしすぎないことが大切
白い毛を隠そうとして濃い色を選ぶと、眉だけが浮いて見えることがあります。暗い色ほど白い毛との明るさの差が大きくなるためです。色に迷うときは、少し明るめの色から試して様子を見ましょう。
5. 髪色に合わせて眉の色を選ぶ
髪色を基準に考える
眉メイクの色は、髪色と同じか少し明るい色を目安に選ぶとなじみやすくなります。グレイヘアの方が黒に近い眉色を選ぶと、眉だけが強く見えることがあります。髪色が変わったときは、眉メイクの色も合わせて見直しましょう。
白い毛をあえて生かす
すべての白い毛を隠す必要はありません。髪全体が明るいグレーに近い方なら、眉に白い毛が混ざっていても自然に見えることがあります。お客様の髪色や好みを聞きながら、どこまでなじませるかを一緒に決めましょう。
肌の色とのなじみも見る
眉の色は髪色だけでなく、肌の色とのなじみでも印象が変わります。赤みの強い色や黒に近い色は、肌の上で浮いて見えることがあります。グレーやグレージュのような落ち着いた色を試しながら、顔全体でなじむ色を探しましょう。
明るい場所で仕上がりを確かめる
暗い場所では白い毛が見えにくく、塗り残しや塗りすぎに気づきにくくなります。眉メイクは明るい光の下で仕上げ、正面と斜めの両方から確かめましょう。鏡から少し離れて顔全体で見ると、色が浮いていないかがわかります。
関連記事:アイブロウデザインにおける色彩学|色を制して立体感と透明感を手に入れる
6. カットで跳ねる毛を目立たなくする
長さと向きを整える
色をのせなくても、長さを整えるだけで白い毛が目立ちにくくなることがあります。長く飛び出した毛は、それだけで視線を集めるためです。カットは抜くのと違って毛を残せるので、眉の密度を保ちやすい方法です。
コームを使った手順
- ①スクリューブラシで眉全体の毛流れを整えます。
- ②眉コームを毛流れに沿って当てます。
- ③コームからはみ出した毛先だけをはさみで切ります。
- ④数本切るごとに鏡から離れて左右のバランスを確かめます。
眉頭と眉尻では毛の向きが違うことがあります。部分ごとに毛流れを確かめながら進めましょう。
避けたい切り方
白い毛だけを根元近くで短く切ると、切り口が立ち上がってかえって目立つことがあります。眉の下側の毛を大きく切ると、輪郭が崩れる原因にもなります。切るのは毛先だけにとどめて、迷ったら残すくらいの気持ちで進めましょう。
整えるタイミング
毛は少しずつ伸びるので、気づくと跳ねる毛が増えていることがあります。明るい場所で眉を見る習慣をつけ、跳ねている毛があればそのときに整えましょう。毎回たくさん切る必要はありません。
7. 眉の形を整えて白い毛を目立ちにくくする
眉頭・眉山・眉尻の位置を確かめる
眉の形が整っていると、白い毛が少し混ざっていても全体がすっきり見えます。眉頭・眉山・眉尻の位置を鏡で確かめて、左右で大きくずれていないかを見ましょう。位置を決めるときは眉だけでなく、目元や顔全体とのバランスを意識します。
欠けた輪郭は描き足して整える
眉の輪郭が欠けている部分は、毛を抜いて形をそろえるのではなく描き足して整えます。足りない部分をパウダーで補うと、形の印象がやわらかくまとまります。形の外に大きく飛び出した毛だけをはさみで整えれば、今ある毛を残せます。
清潔感は毛流れでつくる
大人の眉に求められるのは、濃さよりも清潔感と自然さです。毛流れがそろっていると、白い毛が数本あっても整った印象になります。スクリューブラシで毛流れを整えるだけでも、眉の見え方は変わります。
8. 手入れを続けるための工夫
道具を1か所にまとめる
スクリューブラシ・眉コーム・はさみ・眉マスカラをひとまとめにしておくと、気づいたときにすぐ手入れができます。道具は使ったあとに汚れを落とし、清潔に保ちましょう。
写真で見え方を記録する
毎日鏡で見ていると、眉の変化には気づきにくいものです。同じ場所と同じ明るさで正面から写真を撮っておくと、あとで見比べられます。抜く習慣をやめた方は、眉の形が整っていく様子を確かめる助けにもなります。
場面に合わせて方法を選ぶ
毎日のメイクでは眉マスカラやパウダーで色をなじませます。跳ねる毛が気になったときはカットで長さを整えます。髪色が変わったときは眉メイクの色を見直しましょう。場面ごとに方法を決めておくと迷わずに続けられます。
関連記事:眉の左右差、どっちに合わせるのが正解?バランスの良い眉を作る考え方
9. サロンでのカウンセリングと伝え方
これまでの対処を聞く
白い毛の相談を受けたら、まずこれまでどのように対処してきたかを聞きましょう。抜いていたかどうかや使っているメイク用品を知ると、提案の方向を決めやすくなります。肌の状態や気になっていることもあわせて確かめます。
技術者に任せる部分と日々の手入れを分ける
眉の形の設計や色の選び方は、技術者に相談してもらうと迷いが減ります。日々の眉マスカラや毛先の手入れは、お客様自身で続けられる方法を伝えましょう。役割を分けて伝えると、お客様も自宅で無理なく続けやすくなります。
使うものの表示を確かめる
眉に使うメイク用品は、パッケージや説明書の使用部位と使い方を確かめてから使います。眉に使うと書かれていない製品は眉に使わないよう伝えましょう。肌に合わないと感じたときは使用を止めて、気になる症状が続く場合は医師に相談するよう案内します。
提案は段階を追って
白い毛の対処は、いきなりすべてを変えるより段階を追って提案すると受け入れてもらいやすくなります。まずは毛流れと長さを整えて、次に眉メイクの色を見直す流れが取り入れやすいでしょう。お客様の反応を見ながら、無理のない方法を一緒に選びます。
10. 眉のデザインを学ぶなら協会の検定
アイブロウデザイン検定で学べること
白い毛の目立ち方は、眉の形や顔全体とのバランスにも左右されます。一般社団法人ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)のアイブロウデザイン検定は、眉の形だけでなく目元や顔全体との関係を捉える力を評価する検定です。
3級は眉の基本形と左右のバランスを表現する基礎の級です。2級では目元や顔のバランスに合わせたデザインを学び、筆記にはアイブロウメイク理論やカウンセリングの知識も含まれます。1級は顔全体の印象に合わせたデザインと提案力を確かめる級です。
国家資格とは別の資格
JEBLAの検定は一般社団法人が認定する資格で、国家資格ではありません。デザイン検定3級の受講資格には、協会指定のカリキュラムの修了か理容師・美容師・看護師の免許の取得があげられています。級ごとに条件が違うので、受験の前に受講先と各級の試験要項で確かめましょう。上の級を受けるには下の級の取得が必要です。
検定に合格したあとは、申請によりオープンバッジを発行できます。検定の全体は検定のページで確かめられます。
アイブロウワキシング検定もデザインとあわせて学ぶ
JEBLAにはアイブロウワキシング検定もあります。自眉を生かしてワックスで眉まわりを整える技術について、基礎知識や商材への理解と技術理論を評価する検定です。仕上がりを支えるために眉のデザインとワキシングの両方を学ぶので、今ある毛を生かす考え方を深められます。
公認アイブロウデザイナーという制度
デザイン検定1級を取得したあとは、公認アイブロウデザイナーの申請を目指す道もあります。申請の条件は次の4つです。
- ①協会指定のカリキュラムを修了していること
- ②アイブロウデザイン1級ライセンスを取得していること
- ③JEBLAの一般会員であること
- ④申請書が協会で受理され、協会の基準を満たしていること
申請しただけで認定が決まるわけではありません。協会の確認を経て手続きが進みます。詳しくは公認アイブロウデザイナーの申請ページで確かめてください。
まとめ
眉の白い毛は抜かずに整えるのが基本です。眉マスカラやパウダーで周りの毛となじませて、跳ねる毛先はカットで整えます。
色は髪色に合わせて選び、濃くしすぎないことが大切です。明るい場所で仕上がりを確かめて、迷うときは技術者に相談しましょう。
眉のデザインを体系的に学びたい方は、一般社団法人ジャパンアイブロウライセンス協会のアイブロウデザイン検定の内容をアイブロウデザイン検定のページで確かめてみてください。
よくある質問
Q. 眉の白い毛は抜いてもよいですか
A. おすすめしません。抜いた分だけ眉の毛が減り、形が崩れやすくなります。眉マスカラでなじませるか毛先を整える方法を選びましょう。
Q. 眉マスカラを塗っても白い毛が透けて見えます
A. 色を濃くするより、先にパウダーを薄くのせてから重ねる方法を試してみてください。重ね塗りは白い毛が集まる部分だけにとどめると自然に仕上がります。
Q. 抜いてしまった眉毛はまた生えてきますか
A. 毛の生え方や伸び方には個人差があります。まずは抜く習慣をやめて、今ある毛を残すことから始めましょう。気になる変化が続くときは医師に相談してください。
Q. 眉の色はどう選べばよいですか
A. 髪色と同じか少し明るい色を目安に選ぶとなじみやすくなります。迷うときは明るめの色から試して、明るい場所で確かめましょう。
Q. 白い毛だけを短く切ってもよいですか
A. 根元近くで短く切ると、切り口が立ち上がってかえって目立つことがあります。コームからはみ出した毛先だけを切るようにしましょう。
Q. 白い毛が増えてきたら眉メイクの色を変えたほうがよいですか
A. 白い毛が増えて眉全体が明るく見えるようになったら、眉メイクの色を見直すよい機会です。髪色と肌の色に合わせて少し明るめの色を試すと、白い毛との差が目立ちにくくなります。
Q. 眉の手入れは技術者に相談したほうがよいですか
A. 日々の手入れは自分でも続けられます。眉の形や色選びに迷うときは眉の技術者に相談すると、今ある毛を生かした形を提案してもらえます。
